患者さんと話題になった内容が中心です。

 

Column.1:姿勢を良くすれば、症状が改善する?

「その肩こりや背中の痛みは姿勢が悪いのが原因なので、猫背にならないように良い姿勢を心がけましょう!」

みたいな話を聞いたことが有ると思います。

 

確かにデスクワークやスマホの見方などで、姿勢が崩れて引き起こされることも多々あります。よってそれを意識し姿勢を正せば解決するのでしょうか?

大体の方は頭が前に出ています。胸を張り頭の位置を高くすれば解決するのでしょうか?

残念ながら、特に慢性的な場合、そう簡単にいかない方が多いです。

 

理由は、そもそも頭を高い位置に維持すること・まっすぐな姿勢を維持することが困難となっています。

なので、正しい姿勢を要求しても難しいのです。

 

では、その原因は何でしょうか?

 

原因は延髄から出ている副神経という脳神経の機能低下です。これは首の後ろ・首筋・肩・背中などの筋肉を支配します。よって神経の流れが悪くなると、それらの筋力が低下し、重い頭を支えること、つまりまっすぐな姿勢をすることが辛くなります。できないのです。

 

姿勢が悪い…もちろん、これが元々の原因であることも多々あるのですが、姿勢の悪さからアトラス(首の一番上にあり頭蓋骨を支える重要な骨)に負荷がかかり続けた結果、アトラスが炎症を起こし、その炎症がその上にある延髄に波及し(炎症・圧迫)、延髄から出ている副神経の機能低下を起こし、副神経に支配されている筋肉の力が落ちて頭や首を支えづらくなり、猫背で首肩や背中の凝りや痛みにつながるのが、慢性的な症状の一つの見かたです。

 

【対策】

自分でこれ以上悪化させないよう、姿勢を意識し、腕を上げ体幹を伸ばし副神経の圧迫を開放するなどの対策をし、自然治癒力で延髄の炎症が改善していけば、それらの症状も軽減していくので、ストレッチやヨガなども有効です。

しかし延髄の炎症圧迫が起こると、迷走神経という同じく延髄から出ている重要な神経の機能低下を起こしている方も多いので、その場合が治療を受けることをおすすめします。

この迷走神経は副交感神経系なので、いわゆる自律神経失調症の原因の一つです。(続く)